コーチの余裕(10/28/1996月)
今日の練習も休み明けで動きがよくない。しかし,今日の練習はいつもの月曜日とは違っていた。今日は,徹底的に走らせたのである。練習中にエキサイトして喧嘩腰になるとすぐに練習をストップしてサイドラインからサイドラインを一定時間に何度も往復させる。もし,全員が制限時間以内に走れなかったら,再びやり直しである。とにかく選手たちに常に負荷をかけていた。そうこうしているうちに選手たちの身体もだんだんレベルアップしていく。喧嘩をしたら走らされるということが分かっていても誰も止められない。4対4をやっている時にJM選手とBM選手が喧嘩になって,すぐにセブンティーン(8往復半)。1回目は60秒の制限タイムを切れない。沈黙が続く。2回目もダメ。再び沈黙。2分くらい続いたであろうか。突然ジム・ハリックコーチは「ドリンク!」と言って選手たちに水を飲ませ,すぐにシューティング競争に切り替えた。後を引かずにすぐに次に展開するあたり,さすがだ。僕はどうしても後を引いてしまいその後の練習が重たくなってしまうが、ジム・ハリックコーチの場合,全くそんなことはない。なんとシューティング競争をしている時に,選手たちに気づかれないように僕に向かってウィンクをしてきた。表面に現れている険しい表情とはうらはらにすごい余裕である。完全に選手たちの心の動きやコンディションを読み切っているのだと感じた。
充実したピックアップゲーム(10/28/1996月)
練習後,ウッデン・センターへ行ってゲームをした。かなり強い相手だったが,相手のポイントゲッターにぴったり僕がマークして得点を抑えた。彼は僕のねちっこいディフェンスに嫌気がさし,途中で力任せに僕を投げ飛ばした。僕の体は一瞬のうちにコートの外へ投げ出される。すごいパワーである。僕は怒りよりもそうされるぐらい相手にされていることがうれしかった。彼も僕の反応を試しているようである。こうした駆け引きを楽しみながらプレイがしばらく続いた。ところが、ドリブルで突っ込んでいった時,僕はバランスを崩して足をひねってしまい,こうしたハードな駆け引きができなくなってしまった。残念である。相手チームの圧倒的なリードとなったが,それでも僕はあきらめずにミスをついて速攻を出し,足を引きずりながらちょうどよいタイミングでボールをもらい立て続けに4本ぐらい得点をあげ、追い上げた。結局、最後は振り切られてしまったが、久しぶりに充実したゲーム展開であった。
2試合目をやるのはさすがに控えてロッカールームで足をあげてマッサージを繰り返し,落ち着いた頃に自転車で帰った。途中スリフティで氷嚢とテープを購入し,帰宅後すぐに足を冷やし,寝るときは日本から持ってきた茶箱を足下に置いて,一晩中足をあげて寝た。