外部の反応(11/8/1996金)
今日は朝から午後2時すぎまで新聞の記事とインターネットの記事を読んだ。情報を集めれば集めるほど,やはり不可解であった。本当にUCLAの選手のためを考えたら,はやりSコーチは臨時とは言えすぐにヘッドコーチを引き受けるべきではなかったと思う。何しろ僕でさえこれだけ混乱するのだから,選手が混乱しないはずはない。ジム・ハリックコーチにはむしろこれ以上騒ぎを大きくしないように願うばかりであるが,やはり彼の立場もわからないでもない。もちろんUCLAバスケットボールの伝統やUCLAのアスレティック・デパートメントの姿勢も理解できるが,こういう時こそ順を追ってことを進めるべきであるし,バッファも必要だろう。解任の記者会見と同時に着任の記者会見が行われるべきではなかったと思う。だから,ジム・ハリックコーチもそのあとで記者会見をせざるを得なかったのだろう。
出かけようとしていたその時にちょうど電話が鳴った。何とポピートラベルのMさんであった。Mさんは何と間違えて僕のところへ電話をかけてきたらしいのだが,ちょうどよいタイミングだったので,僕はすかさずニュースをどう思うか?と尋ねた。すると「あの記者会見では誰も納得しませんよね。だいたい,本音と建て前があってあの記者会見は建前だけのものでした。誰だって,コーチが食事をごちそうしていることぐらいわかっているし,だいたい大学のスポーツがアマチュアだといってもみんなスポンサーが着いているし,大学時代からみんなプロのエージェントがついているのだから,いまさらあんな建前を出してクビにするのだったら,他のコーチもみんなクビですよね。」とのこと。「とにかくアメリカは,誰に着くかで決まります。会社でもどこでも上が変われば下もみんな変わってしまいます。UCLAの大学の姿勢に批判的な人もいますが,記者や新聞社の中にはUCLAの出身者が結構いますから,あまりそういうのは新聞に載らないかもしれません。とにかくすごく政治的な出来事で,ロサンゼルスのスポーツ界史上でナンバー1の事件だとみんな言っています。」やはり外側である程度事情に詳しい人はおかしいと思っているのである。
コンディショニングコーチが来てウォーミングアップが2時50分から始まったが,何とCO選手,JH選手,JM選手,KJ選手,DP選手が休みや見学であった。これでは練習にならないと思っていたら,3時直前になってロッカールームでミーティングが始まった。待つこと40分。3時35分に選手たちが笑顔でコートへ出てきて,少人数で練習が始まった。Sコーチは初めての練習らしい練習で熱がこもっていたが,レギュラー陣の見学で出鼻をくじかれた感が否めない。9人しか選手がいないのでハーフコートの5対5の時にMコーチが入った。Mコーチの声が一番元気がよかった。Sコーチはとにかく自分の考えを選手に伝えようとよく練習をストップし,よく話をした。あまり長く話をするよりひたすらいつも通りに練習をした方が良いように思うが,こういう時だから仕方がないだろう。