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ウェイト・トレーニング場視察(12/5/1996木)


 今日は,大学時代の後輩のM君とF銀行のMさんがやってくる。子どもたちを学校へ送った後,すぐにロサンゼルス空港へ向かった。M君とMさんは予定時刻よりも早くロサンゼルス空港に到着しており,僕の迎えを待っていた。さすがにあまり眠れなかったらしく疲れている様子。それでも少し興奮気味だったので30分だけ我が家へ寄っていただいてから,すぐに予約しておいたクレアモントホテルへご案内した。UCLAの練習は午後3時からなので,2時過ぎまでホテルでお休みしていただくことになった。

 午後になってホテルへ向かえに行くと2人とも僕がドアをノックするまで眠っていた様子。子供を学校へ迎えに行くのに車を使うので,徒歩でUCLAまで行かなくてはいけない。練習時刻ぎりぎりになってしまったが,UCLAの構内にあるタコベルでタコスを食べてから練習に向かった。すでに練習が始まっていたのでお二人を最初にスタッフに紹介することができなかったが,ポーリーは土曜日の試合に向けてすでに会場づくりが始まっており,比較的コートに近い席に座って見学していただくことができた。ただ,さすがに長旅の疲れが出ている様子であった。

 練習終了後,ウェイトトレーニングが行われるので,すぐにそれを見に行った。M君はウェイトトレーニングの本を書き上げるほどの専門家である。ストレングス・コーチのY氏に彼の本業を伝えようかどうしようか迷ったが,警戒されると困るので日本の友人ということにした。かつて,僕がこのウェイトトレーニング場で,メモをとろうとしたときに,「メモは困る」ということだったのだ。確かに選手一人一人のメニューが毎回鏡に張り出されるが,いつも直ちに回収されてしまう。つまり,このトレーニング・プログラムは一応秘密なのである。それくらい警戒しているのだから,やはりM君がそれで飯を食っているということは,伝えない方がよいだろうとの判断であった。M君はさすがにいろいろな施設を知っているだけあって,このトレーニングルームがシンプルで非常に使いやすく出来ていることに感心していた。Yコーチに写真を撮りたい旨を伝えると選手たちを写さなければ良いとのこと。そこで,選手たちのトレーニングが終了してからトレーニングルームの写真を撮らせてもらった。M君はシンプルな背筋用のトレーニングマシンが気に入ったようであった。Yコーチが明日の朝9時からカンサス大学のウェイトトレーニングがあるから是非見に来いと言う。対戦チームのウェイトトレーニングを見学してもよいのだろうかとか,試合の前日に本当にウェイトトレーニングをするのだろうかと疑問に思ったが,とにかく明日9時にこのウェイトトレーニングルームを訪れることにした。

 その後,UCLAのアッカーマンの中にある食堂で中華料理を食べながらいろいろと話しをした。とにかく僕が今非常に微妙な立場にあること,UCLAバスケットボールチーム自体も非常に微妙に揺れ動いていること。今度のカンサス戦が一つの山場であることなどをお話しした。とにかく日本の状況とあまりにも食い違っていることなどから,今後の日本のバスケットボールの将来についても語り合ったが,まだまだ時間がかかるだろうということであった。


手紙より抜粋(12/5)


 11月6日に僕を招いてくれたことになっているUCLAのヘッドコーチが新人獲得の件で突然,大学から解任されてしまいました。僕は自分の立場がどうなるのか不安でしたが,現在は今まで通りUCLAの練習を見たり,試合を見たりしています。臨時ヘッドコーチに32才の今までアシスタントコーチだった人が就任しましたが,チームの状態があまりよくありません。やはり,選手もコーチが突然代わってしまったことでうまく力を発揮できていませんし,何しろ臨時ヘッドコーチも初めてのヘッドコーチですから,思うようにいかず苦労しているようです。

 僕は,着かず離れずという感じでチームのスタッフと接していますが,先日新しいアシスタントコーチが来たりして,人間関係づくりで苦労しています。

 当初の僕の計画では,UCLAはもとより中学校や高校の練習も見に行こうと思っていたのですが,何しろこういう状況になって中学・高校のコーチをUCLAのスタッフに紹介してもらうわけにも行きません。かといって独力で新たな人間関係を築くのも大変で,今のところUCLAのチームがこの逆境からどうやって立ち直るのか,はたまた崩れていくのか,を複雑な心境で見守っているという状況です。

 英語の方は,妻と交代で週に2回づつ英会話教室に通っています。世界各国からいろんな事情があって若者からお年寄りまで集まってきます。日本人も何人かいますが,日本人は僕も含めて文法は理解しているけれども,話せない聞けないという感じです。他の国の人は話したり聞いたりするのはできるけれども,文法はよくわからない,つまり読み書きがあまりうまくできないという感じです。日本語が独特なので仕方ないのでしょうが,やはり日本の英語教育がどこか間違っているのかもしれません。どう考えても「This is a pen.」なんて日常会話では使いません。