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ロッカールームでの試験勉強(12/11/1996水)


 雨。濡れながら自転車で朝6時からの練習へ。何とコート上にいない選手は、ロッカールームで試験勉強をしているではないか。試験勉強をするのも、練習と同様、彼等にとっては仕事なのである。今日の練習は7時30分で終了した。


UCLAのチーム状態


 先生もご存じの通り,ジム・ハリックコーチの突然の解任事件から1ヶ月が経ち,UCLAのチーム状態はあまりよくありません。現在のところご指摘のとおり1勝2敗という成績で,シーズン開幕前はベスト4にランキングされていたチームが,みるみりうちにダウンして,今では24位にランキングされています。今までアシスタントコーチだったSコーチが臨時ヘッドコーチをつとめていますが,これまでのところ,あまりにも若すぎるという感じです。確かにジム・ハリックコーチの後任は誰が引き受けても大変だろうと思いますが,彼の熱心さだけではなかなかうまくいかないというところです。やろうとしていることは間違っていないと思うのですが,机上の空論に近い感じがして,このままではどこかで選手とぶつかるか選手があきらめてしまうかという感じです。私はほんのちょっとだけ修正して,選手の持ち味を生かすように工夫すれば,優勝も不可能ではないと思っています。今後,そういう方向に進むのか,それとも今までと同じことを繰り返すのか,成り行きをじっと見守っています。


UCLAでのバスケットの勉強について


 UCLAではスタッフの一員のように扱われることはありません。そうでなくても,私がジム・ハリックコーチを頼って来たことをみんなが知っていますし,チームが崖っぷちに立たされているので,私の相手をする余裕もありません。Sコーチが32才で,その下に今年から初めてアシスタントをつとめる35才のMコーチと32才のJコーチ,さらに,つい2週間ほど前に新しいアシスタントコーチ(SSコーチ:おそらく同年代)が加わって,現在は,スタッフ同士のコミュニケーションをはかるのも大変そうです。(ちなみに私は35才です。)そんなわけですから,私は完全にオブザーバーとして着かず離れずという感じで接しています。本当は思っていることをうまく伝えられたらよいのでしょうが,今のところその微妙な部分を英語で表現するだけの能力は持ち合わせていません。

 また,当初予定していたように中学校や高校のチームを見て回ることもできていません。なにしろ,UCLAのスタッフに今になって中学・高校のコーチを紹介してくれとも頼めませんし,自力で尋ねたとしてもかならずUCLAのスタッフの耳に入ってしまうので,控えています。

 その替わり,いろいろなところでピック・アップ・ゲームを楽しんでいます。そこでいろんな人と接して得ること大です。やはり,アメリカの強さの秘密は,大人も子供も一緒になってプレイする場があるということだと思います。また,第9学年あたりの子供を,お父さんらしき人が一生懸命コーチをしてチームに残れるように頑張っている姿を何度も見ることができました。

 どちらかというと学校やチームに頼るというより,親が子供に教育するという感じです。つまり,スポーツだろうと,音楽だろうと勉強だろうと全て子供の能力を伸ばすのは,学校ではなくて親次第ということです。現在,私の子供が学校へ通っていますが,本当に最低限の部分を学校が引き受けて,それ以外何かを望む場合は,全てお金がかかります。ですから,親が直接教えるのが一番安上がりなのでしょう。