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空回り(1/13/1997月)


 午後練習に行くと練習前にHS選手が1対1をやろうと言う。そこで1対1をしていたら彼が突き指をしてしまった。その様子を見ていたKD選手が俺のディフェンスをしろという。そこでディフェンスをしてから2本決められた後,オフェンスをしてシュートを決めたとたんにHS選手の真似をして突き指をした真似をする。まったくおもしろい。

 先週のスタンフォード戦の負けが響いているのか,練習ではSコーチの怒りが爆発した。選手たちも走らされる理由がよくわからないらしく,ふてくされた様子。アシスタントコーチが何かアドバイスしても言うことを聞かない。あまりにてんでバラバラなので練習の途中でCD選手が大声を出して気合いを入れていたが,すぐにSコーチの長い話しが始まってしまい,せっかくよくなりかけた雰囲気がまたもとに戻ってしまった。なんだかちぐはぐした練習であった。

 

A・コーチ陣との1on1


 練習後,MコーチがJコーチとSSコーチをさそって1対1をはじめた。お前もやるかというので一緒に入った。最初はMコーチが7点先取して勝った。次は僕が5点とったところで突然ディフェンスをしていたJコーチが大声で叫ぶのでどうしたのかと思ったら,小指を脱臼していた。彼はすぐにトレーナー室へ走っていってしまった。その後,SSコーチが6点になり,僕も6点になるとMコーチは6点同士でやれといって帰っていった。どうやら左膝が痛い模様。SSコーチはしつこくファールしてきて結局彼の粘り勝ち。こういう時の「負けないぞ!」という意識は本当に強い。ちょっと休憩した後,もう一度,彼と1対1をし,今度は勝った。しかし,すぐに彼はもう一度やろうとすごい勢いである。とにかくインサイドへごりごり入ってきてシュートする。完全に押し負けてしまった。この感覚がアメリカの強さなのだろう。

 Jコーチがトレーナー室から戻ってきた。何と僕のTシャツに小指をひっかけて脱臼したらしい。僕のTシャツは日本製で綿100%なので汗に濡れるとべとつくのである。それにしても,A君の膝に始まって,J君の突き指,HS選手の突き指,そしてJコーチの脱臼と僕と1対1をする人は,なぜだか怪我をする。僕が相手を強く押したりすることはなく,ほとんど触れていないぐらいなのだが,どうしてだろう。もしかすると,僕の動きが何かこちらの人の感覚と違うのかもしれない。

 

稼働率


 その後,夜7時30分にウッデン・センターへ行ったがあまりにも多くの人がピックアップゲームをしていたのでステップマシンを20分やって再びコートへ戻った。ところがさらに人が増えているではないか。3つのコートで30人がプレイしていて,待っている人が40人ぐらいいる。本当にすごい稼働率である。これではとてもプレイできそうにないのでぼっと見ていたら,やはりよく見かける人も待ちくたびれた様子。彼とちょっと話しをした。彼の名はGAさん。僕がバスケットボールの勉強に来ていると行ったらびっくりしていた。彼にこれだけたくさん人がいるのに,日本人はあまりプレイしていないようだと言うと,日系の学生を何人か知っているという。しかし,日本からの留学生はあまり見かけない。もっとも日本からここUCLAへ留学するような学生さんは,バスケットをやりそうにない。いやバスケットをやってきた学生が留学しそうにないのかもしれない。世界中の人が集まってピックアップゲームをしているというのに,何だか寂しい話しである。