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エトセトラ(1/15/1997水)


 練習に出かける前に,ポピーイベントのMさんと話をした。Oさんがピート・ニューエルさんからレイカーズのチケットを都合してもらえるという話をしたら,コーチはたいてい2枚ぐらい自由に使えるチケット枠を持っているとのこと。おそらく確実な話だろうとのことであった。また,昨日東海岸のフットボールの試合に行ったが,零下10度以下の環境で試合をする選手たちばかりか,それを待っている観客が何とそのなかでバーベキューをやっている姿は,日本人にはおそらく理解できないだろうとのことであった。また,シカゴは街中がブルズ一色で本当によい雰囲気らしく,なるべく早く行った方がよいとのことであった。80年代のロサンゼルスもレイカーズと一体感があったが,今のロスはそういう雰囲気はないらしい。また,UCLAが優勝した年は,当初そんなに騒がれていなかったとのこと。本当にファイナル4の出場が決まったあたりから一気に盛り上がったらしい。その意味では,今シーズンは優勝した年より,メディアが騒がしいとのこと。

 3時30分からの練習に行ったが,ビデオを少し見たあと,何と12分間フリースローを打っただけで練習が終わってしまった。明日試合なのになんでこんなに早く終わるのかと思ったら,何と今日はホームレスの人たちに使い古したTシャツや靴をあげて話をしたりして過ごすらしい。選手は自分たちの車に分乗してフリーウェイに乗ってどこか決まった場所へ行くらしい。マネージャーの話では,そういうことをすると良い印象が高まるということであった。慈善事業の一環だろうが,おそらく選手たちの発案ではなく誰かが計画をたてたのだろう。毎年しているのか?と尋ねるとそうでもなさそうなので,おそらくSコーチあたりがどこからか話を持ちかけられたのかもしれない。

 ウッデン・センターへ行くとそんなに混んでいなかった。勝ったり負けたりしながら5試合ぐらいやった。最後の試合で一緒のチームになったシンガポールから子供の時にアメリカへ来たという45才のAさんと中国から8年ぐらい前にやってきたという35才のEさんと試合後1時間ぐらいいろんな話をした。その中で特に印象に残っているものを下記に記す。

 

・大都市はフレンドリーだが,表面的なつきあいだけ。金の切れ目が縁の切れ目で,とにかく人間関係はお金の関係でもあるとのこと。もし,お金をたくさんもっているようだと敬遠されるし,お金がなくて貧しいことがわかると親切にされる。

 ところが,田舎ではあまりフレンドリーな感じはしないが,ひとたび人間関係ができあがるとお金とは無関係に親切にされる。ところが,ひとたび嘘をつくと人間関係は完全に崩れてしまうので,言葉には気をつけなければいけない。

 

・ゲームの時に僕がにこやかにやっているが,ここではそれはいけない。ゲームの時は常に怒っているようにして,自分を強く見せる必要がある。そうすれば,みんなあいつは怒っているからしょうがないといって無理が通るとのこと。ようするにこの国では強くなくてはいけないのである。「強くある」ということが価値観の大半を占めている。だから,みんな身体を鍛えて筋肉モリモリになりたがるし,ゲームの時はいつも怒ったようなそぶりを見せたり,人を無視したりするような雰囲気をかもし出す。

 確かにどこのアパートや家に行っても至る所に大きな鏡があるのが不思議だったが,ようするに外側から見られる自分というものに対する意識が非常に強い。レディーファーストや譲り合いは,どちらかというと道徳心からというより,自分をそういう風に見せたいということが原点にある。だからこそ,車に乗っていて一種の仮面をかぶるととたんにヒステリックにクラクションをならしたりするのである。どこにでもゴミは散らかすし,唾は吐くし,悔しがったり痛がったりというしぐさがいちいちオーバーなのもこのあたりにあるようだ。要するに幼稚といえばそれまでだが,日本に伝統的に伝わっている道徳心というようなものはないのかもしれない。

 

・ニューヨークは人種によって完全に地域が分かれている。

 

・ロシア人は人当たりが非常に悪いが,ひとたび友達になると本当によい人間関係がつくれるとのこと。

 

・日本の神戸牛は実は日本の畜産農家がカリフォルニアにやってきて育成しているらしい。

 

・アメリカの親子関係は,非常にドライで,親は子供に一定のお金を払ってしまえばそれで終わりだとのこと。

 

・大学の試合にしろプロの試合にしろ,みんなギャンブルの対象になっている。

 

 今日は,右足の付け根の古傷が痛み出した。それでも,結構調子が良かったのでまあまあだろう。