vsCAL(2/6/1997木)
今日はカリフォルニア大学との試合である。相変わらず息子が学校を休んでいるので娘のお迎えを早めてもらったが,午後2時30分ぎりぎりにポーリー・パビリオンに到着した。ところがどうやらビデオを見るためにロッカールームへ入っている様子。仕方がないので会場の準備の様子を記録した。午後3時頃に動きの確認が始まるが,どうもSコーチの頭の中のイメージだけが先行しているようで,選手たちは混乱しているようであった。40分ほどで終了したので,30分ほどいつもの階段走りをした。その後,会場の準備の様子を眺めているとDP選手が彼女を連れてロッカールームの中を案内している様子。掃除をしていた会場準備の人も笑っていた。彼に試合終了後いったい何人の人がどれくらい時間をかけて掃除するのかを尋ねた。すると21名が6時間かけて掃除するらしい。まず,手で大きなゴミを拾い,次にほうきでゴミを集め,最後にモップがけをするとのこと。木曜日の試合が終了するのは10時ぐらいなので,おそらく一晩かけての作業なのだろう。
BM選手が食事から帰ってきて勉強をしているので,ちょっと話しかけてみた。彼は経済を専攻していて卒業後は会社で働きたいという。日本経済にも興味があるらしく,日本のことをよく知っていた。身体が大きな選手で高校時代はテニスもしていたらしく,いわゆる有名選手ではなかったがUCLAでの努力が実を結び今年になって7番目の選手として活躍している。本当にまじめにプレイに取り組む選手なのでどこか日本の企業で彼をプレイヤーとしてではなく社員として採用するところはないかと思ってしまう。彼に今日の練習でどうもプレイヤーが混乱しているようだと話すとその通りだという。従来ハイポストのサインである頭に手をやる動作で1−4をやり始めたのである。彼に練習の時に考えるのは構わないが,クローズドゲームになったときに迷ったり考えたりしてしまうのは良くない。パスする相手ばかり探してしまい,リングを見るのを忘れていると伝えると,彼は大きくうなずいていた。彼は「カルはよいチームだ!」としきりに言っていたので,おそらくコーチ陣たちの臆病が選手たちにも少し伝わっているに違いない。
一度帰宅してから夜の試合に再び出かけた。試合は相手の22番の選手のシュートがよく決まり前半を同点で折り返した。カリフォルニアはディフェンスを要所要所で変化させるなどベンチワークが光っていたが,UCLAの選手たちの目を見張るような派手なプレイで同点になっている。
いつもハーフタイムの時にGTEがスポンサーになってチケットの番号で3人ほどが選ばれシュートコンテストを行っている。30秒間にゴール下→フリースロー→3ポイントシュート→ハーフラインからのロングシュートへとシュートが入るたびに進むのであるが,たいてい時間がなくなって3ポイントが入れば良い方である。それぞれのレベルで賞品がグレードアップするらしいが,何と今日は3人目の男性がゴール下,フリースロー,3ポイントシュートをそれぞれ1発で決め,ハーフラインからのシュートの1回目をはずした後,残り1秒で放った2回目のハーフラインからのシュートを見事に決めたのである。本当に会場にいた全ての人が立ち上がって割れんばかりの大歓声を送っていた。本人もフロアーでみんなに挨拶をしていた。本当にこういう時の楽しみ方を心得ている。
後半に入りUCLAはディフェンスをマンツーマンに切り替えたが,うまくスクリーンプレイを使われ,どんどん22番の選手のマークマンが変わってしまう。ずっと接戦が続いたが,アウトオブバウンズの審判のコールに興奮して飛び上がっているSコーチの姿を見てこれはダメだと思った。タイムアウトをとってディフェンスの指示をし,流れを変えなければならない時だった。結局,3点差で破れてしまった。
ゲーム終了後,SSコーチが出てきたので「Next Game」と囁いたが,彼は頭を振っていた。かなり頭に来ているようである。それが選手に対するものでもあるようだが,もしかするとコーチ間でもうまく行っていないのかもしれない。