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ジョン・ウッデン氏の片腕(2/18/1997火)


 UCLAの練習は2日間の休み明けということもあって,何となく重たい雰囲気であった。スティーブ・ラビンコーチは「セブンティーン」という一定時間内にサイドラインを8往復半走らせることを何度かやっていた。いわゆる罰である。時間はだいたい60秒から65秒の間でその時の状況で変化させている。ちょうど練習をいつも見に来ているHさんが近くに居たので,「コーチ・ウッデンの時からこのセブンティーンはあったのか?」と尋ねると「昔はもっとハードだった」との返事。とにかくウッデンさんの練習は2時間選手を一度も止まらせないぐらい走り続けだったらしい。水飲み休憩もないし,ダンクシュートも練習中は禁止されていたとのこと。だから選手たちにとっては試合の方がイージーだったと言う。

 あまりにも昔の話しに詳しいので「プレイをしていたのか?」と尋ねると戦争で負傷し,大学ではプレイできなかったらしい。もちろんUCLAの卒業生だが,彼の友人がジョン・ウッデンさんの最初のマネージャーで,当時からボックス・スコアをつけるのを手伝っていたとのこと。今はコンピュータでボックス・スコアがつけられるようになっているが,それでも彼は手作業で彼独自のボックス・スコアをつけているらしい。ハーフタイムには前半の様子を2分でまとめてコーチに報告しているという。そういえばアリゾナ遠征の時もボックス・スコアを付けに来ていた。彼のような職人気質の仕事は本当に大切にしなくてはいけない。

 練習の帰りは徒歩だったので,近くの本屋さんへ寄ってバスケット関係の本をまた買い込んでしまった。これでまた家計を圧迫する。