マネージャーの仕事と報酬(3/4/1997火)
今日は練習をビデオに収録した。その後,リフティングがあったのでその様子をみた後,選手とともにロッカールームで練習後の選手たちの様子を黙ってみていた。練習時間は短いが,共有する時間は茨城大学の選手たちよりも遥かに長い。シャワーを浴びて思い思いに語り合いながら着替えて帰る。学生コーチのK君に食事はどうするのか?と尋ねたら,「ブルーイン ゴールド カード」を見せてくれた。これを持っていると1日10ドルまで学内で食事ができるらしい。持っている選手は14名中10名とのこと。どうしてK君が持っているのか不思議だったが,彼もそういう立場にあるらしい。
マネージャーが選手たちが脱ぎ散らかす練習着やタオルを選択袋に入れて,ゴミを拾っている。マネージャーは選手が来る前に,洗濯物を運び,たたみ,一人一人の椅子の上にきれいに並べておく。そして,選手全員が帰るまで残って洗濯物を再び運び出すのである。よくこんな仕事をしているなぁと思いながら,自転車に乗って帰っていると,いつも1対1をしているJ君がとぼとぼと歩いていた。そこで彼にマネージャーの仕事について尋ねてみた。僕が見ている範囲以外にもいろいろと仕事はあるようだが,その部分についてはよくわからなかった。ただ,分かったことは,彼らも選手と同じように,1日10ドルまで食事がフリーであるということだ。その他に練習着や靴ももらえる。そして何よりも驚いたのは,ヘッド・マネージャーはスカラシップを得られるということである。つまり,授業料は免除されているのである。スカラシップは当初8人だと聞いていたが,彼の話によると選手10名とヘッド・マネージャー1人の11名がスカラシップを得ているとのこと。「それなら,いずれ君もスカラシップを得られるんだ」というと「多分」との返事。ようするに彼らは,そのスカラシップを得るために下働きをしているのである。また,日々の食事も確保されているのである。
車椅子
突然のことなのであまり良いアイディアが浮かびませんが,スポーツ文化コースの授業を念頭に置いて,今の時代をにらんだときに必要と思われるものは,ずばり「車椅子」です。車椅子をいったい何に使うつもりか?と思われるかもしれませんが,まさに,車椅子マラソンや車椅子バスケットに使うわけです。
福祉の時代と言われてずいぶん経ちますが,ここロサンゼルスに比べるとやはり日本の現状はずいぶん貧弱です。もちろん道路の広さや開発することがすなわち土を表面に出さないこととして発展してきた街と比べること自体無理があるのですが,ここロサンゼルスでは本当に車椅子で生活している人が普通の人と同じように生活しています。例えばスーパーマーケットにいくと大きな買い物かご付きの電動の車椅子がたくさん用意されています。改造された車に乗ってあっちこっちに移動していますし,大きな駐車場からお店の入り口に近い部分はみんな車椅子をはじめ身体の不自由な人のための駐車エリアになっています。また,バスケットボールの会場でも必ず車椅子の人たちの専用の席が見やすい位置に用意されていて,付き添いの人と一緒にいつもゲームを見に来ています。ゲームが終わるとロッカールームの入り口のところにやってきて着替えて出てくる選手たちと一緒に話しをしたり写真をとったりしています。
健常者に対するトレーニングについてもちろん勉強しなければなりませんが,これからは身体の不自由な人に対してももっと目を向けて行かなくてはいけないと思います。もちろんそういう意味での専門家ではありませんから,例えば障害児教育の先生方などから見るとバカにするなと思われるかもしれませんが,とにかくそういう目を向けさせるための道具として「車椅子」なわけです。実際,パラリンピックなどにも目を向けさせていく必要があると思うのです。まさに,総合教育の名にふさわしいのではないかと思います。
それじゃあ100万円でどうするのかということですが,さすがに車椅子の値段は分かりません。ただ,手元に車椅子バスケットボールの分厚い本があるのですが,これを見るとやはりずいぶん車椅子にも種類があるようです。本格的に競技をするわけではなくて,例えば両足を縛った状態で車椅子に乗って学内を移動するだけでも,学生にとってはずいぶん勉強になると思いますが,それが興味本位なものとして普通の人の目に映るようなら,やはり体育館の中で車椅子を使って簡単な競争や車椅子バスケットのまねごとなどをしてもよいと思います。ですから,1つでは足りなくてできれば6個ぐらいあると良いと思います。テニス用やクァドラグビー用などもあるようなのでメーカーに趣旨を問い合わせてどういうものが良いかを尋ねる必要がありそうです。もし,車椅子マラソン用のあのかっこいい競技用の車椅子があるとずいぶん授業らしくなるように思います。具体的にどの授業で使用するかを検討する必要があるかと思いますが,例えばバスケットボールの授業でも使用できます。
車椅子については是非下記のホームページをご覧下さい。15才の少年がなかなかすばらしいホームページを作っています。僕も今回初めて見ましたが,とにかく全部のページを読んでみて下さい。予想以上に世界が広がります。
http://www.mcgroup.or.jp/user/finx/wc/