日本の体育が目指してきたところのもの(3/5/1997水)
UCLAでは,日本でいうところの体育の授業はありません。詳しいことは僕もまだよく調べていないのですが,とにかくウッデン・センターというところが,さまざまなスポーツやエクササイズのプログラムを用意していて,それぞれ学生が自分のとりたいプログラムをお金を払って受講するという形になっています。1コース7ドルぐらいですから,金額は安いのですが,それが卒業要件と関わっているのか?それとも無関係なのかは今のところ不明です。いずれにしても,日本の学生とは大違いで,朝から晩まで大流行です。とにかく日本のフィットネスクラブのような雰囲気です。公園でも土日になると子どもからお年寄りまで,とにかく身体を動かしています。基本的な生活習慣や身体に対する意識などが根本的に異なっています。ですから,日本のように必修にするかしないかということはあまり問題にならないようです。やりたい人がやりたいようにやる。やりたくない人はやらない。でも,ほとんどの人が何かやっています。食習慣の違いや生活習慣の違いが一番大きく影響しているようです。
僕も,そこで一般の学生や街の人たちと一緒にバスケットボールをしています。どう考えても卒業要件と関係あるようには思えませんが,毎日本当に大勢の人が入れ替わり立ち替わりやってきて,プレイします。
僕は,日本でこれと同じシステムを導入してもそう簡単にうまくいくとは思いません。それよりも,日本の体育が目指してきたところのものが,本当に大切なのだと強く感じています。その「日本の体育が目指してきたところのもの」が何を指すのかが問題ですが,文化的背景が全く異なるシステムを日本でそのまま導入しようとすること自体,間違っていると思います。