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UCLAエクステンション(3/6/1997木)


 K先生より電話があった。何とLM大学のコーチ陣が退陣したとのこと。形式的には辞任したということだが,やはり成績不振を理由に解雇されたらしい。あと2勝していれば辞めさせられることはなかっただろうということである。

ちょうど夕方4時30分にロングビーチ・ステイト大学の大学院へ通いながら,UCLAで働いておられるFさんがお仕事の説明にK先生のところへ来るとのことで,ご一緒させていただくことにした。FさんはT大学を卒業後,K市の健康関係のお仕事をされ,その後フィットネスクラブのプログラム・アドバイザーなどを経た後,ご専門のスポーツ傷害(特に外科的傷害)の勉強のためにこちらへ7年前にやって来られたとのことである。日本ではどうしてもお医者さんと体育関係者との狭間で,十分な勉強ができない状況であったらしい。ロングビーチ・ステイトにはキネシオロジー&フィジカル・エデュケーションの学部があってそこで勉強されているとのこと。現在は,UCLA EXTENSIONというUCLAの卒業生に対する学習の機会を提供する部署のお手伝いが高じて,そこで健康関係のプログラム立案の仕事をなさっている。日本とのパイプを広げようということで,現在のお仕事の説明を伺うことができた。日本では生涯学習などという言葉で社会人を対象にしたプログラムを公開講座という名称で行っているが,UCLA EXTENSIONは世界一のプログラム数を誇っている。もちろんUCLAの卒業生に限らず一般の方や高校生でも受講することができる。また,プログラムによっては学部の単位と完全に互換性があるもの,大学によっては互換性を保てるもの,単位との互換性がないもの(一般教養的な内容)に大きく分類されるという。とにかく,UCLAのスタッフをフル活用してさまざまなプログラムを展開していてその数は年間に4500にも達するというのだからすごい。Fさんはその中でも特にヒューマニティ・サイエンスの部署で社会科学&健康科学の分野を担当されている。具体的には,フィットネスクラブのインストラクターを対象にしたプログラム,ストレングス・トレーニングのプログラム,アスレティック・トレーナーを対象にしたプログラムなどを展開されていて,日本からも専門学校生のプログラムや健康指導士の人たちへのニーズに応じたプログラムの要請があるとのこと。何とか日本とのパイプを広げたいという意向らしい。

 奥様がK先生の奥様と一緒に英会話の勉強をなさっているとのことで,元気なお子さま連れでいらっしゃった。日本の現状やアメリカの体育の状況などについて有意義な情報交換をすることができた。

 UCLAの組織やバスケットボールチームについて尋ねたところ,興味深いお話を聞くことができた。UCLAでは学部とは別にUCLA EXTENSIONやアスレティック・デパートメントが存在している。また,ウッデン・センターは Department of Cultural and Recreational Affairsが運営しているとのこと。それぞれがビジネスをしており,一度大学へお金が集められスタッフは大学から給料が出る形になっているところと,エクステンションのように完全な独立採算制をとっているところがあるとのこと。

 UCLAのジム・ハリックコーチの解任事件については,やはりUCLAのスタッフは恥ずかしいという気持ちがあり,多くを語ろうとはしないという。ジム・ハリックコーチは学長より給料が高かったとのことである。やはり,一般的にはコーチが悪いということになっているようだ。さらに,あまり公にはされていないらしいが,あの時アスレティック・デパートメントのデベロップメントという部署にいた女性他計4名のスタッフも解雇されたとのことである。どうやら,例の夕食の席に同席していたメンバーらしい。ジム・ハリックコーチ以外のスタッフが同時に解雇されていたという話しは,非常に興味深かった。若いスティーブコーチになってから,「今年はダメだ」という声がずいぶん上がっていたようだが,最近になって評判が上がってきたとのこと。とにかく,一昨年全米チャンピオンになった時は,学生も教官もバカ騒ぎし,ウエストウッドで車がひっくり返されたらしい。当日は,そういう事態を予想してほとんどの人が早々に帰宅したとの話しである。

 また,UCLAでは体育の授業はない。ちょうどFさんがこちらに来た時に,キネシオロジーの分野がなくなってしまったらしい。全米でフィジカル・エデュケーションやいわゆる運動や身体に関わる分野の学部をなくそうという動きがあり,それを受けてのことらしい。やはり,アメリカでも体育やスポーツはサイエンスとは結びつかない分野として見なされたのである。とにかくディレクターが変わったとたんに,少しでも運動やスポーツに結びつく研究をしようとすると,とたんに首を切られたらしい。とにかく,大学のサイエンスから体育・スポーツをなくしてしまおうという動きだったという。

 K先生が通われているLM大でもやはり体育の授業はないとのこと。ロングビーチ・ステイト大学は学部があるので,そういう授業もあるらしい。

 とにかく,学生が運動したければ,自分でお金を払ってウッデン・センターなりメンズ・ジムなりを利用するということで,単位とは何ら関係がないということである。

 

 

公園ランニング(3/7/1997金)


 夕方,公園をランニングした。いつも走っているコースを1周2分のペースで20分。結構ハードだが,マラソン以降身体の状態が良いのでこれくらいの負荷をかけた方がよい。ついでにウェイト・トレーニングもした。最近,少しずつ上半身も鍛えはじめたので,身体の調子がよい。