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気軽なパークリーグ(3/8/1997土)


 息子の試合もあと2回である。ホーネッツは本当にバランスのとれた良いチームに仕上がった。Aは,背が高く彼がリバウンドをとってボールを頭の上に保っていると誰も手が届かない。目を突かれることがあるので透明な眼鏡タイプのアイガードを装着している。気持ちの優しい男の子である。Jは,コーチ・Bの息子で,自由気ままにやりたい放題。のびのびとプレイし彼を止めることはなかなかできない。JOは,コーチ・Mの息子で,父の教えに従って父親同様きまじめに戦っている。ドリブルもシュートも上手である。JAは,いつも優しいお父さんと弟と一緒に来ていて線は細いけれども力強くロングシュートとスティールが得意である。息子はいつも一定の距離を保ちつつチームのバランスを保っている。ガードが得意で誰よりも早くディフェンスに戻る。Eは,ちっちゃくてすばしっこくランニング・シュートが得意。おじいちゃんとおばあちゃんが熱心に応援している。Mはチーム唯一の女の子で,めきめきと上手になってディフェンスが上手になってきた。Rは,マイペースで楽しくボールを追っかけている。

 本当にこのリーグに参加してよかった。来週は,トロフィーをもらえるらしい。また,夕方,シェーキーズでホーネッツのパーティを行うとのこと。コーチへのお礼ということで1家族10ドルづつ集めていた。この程度の関わりで済むのだからずいぶん気楽なものである。ジェーキーズでのパーティは何とRのお父さんがスポンサーである。もしかするとRはイラン系なのかもしれない。白人の中には東洋系の人を毛嫌いする人がいる。コーチ・Mもちょっとその雰囲気があるので,Rのお父さんはあまり近寄らない。それでも最後にスポンサーになってしまうのだから不思議だ。日本ではパーティーをやるとなるとみんなで出し合ってということになるが,こちらではお金を出したい人が出せばよいということになっている。だからみんな平気でご馳走になる。そういう意味では,うちはビデオをつくって各家庭に配ればそれでいいのである。それだってやりたくなければやらなくてもよいのだが,実際そんなことでもなければビデオ編集などとてもやりそうにないので,良い機会だろう。

 日本のミニ・バスケットボールもこの程度のものでよいのではないだろうか?10回の試合をする。そのコーディネイトを公園がする。コーチはボランティアを募る。チーム分けをしてしまえば,あとはコーチ次第。練習をしたいチームはすればよいし,したくなければしなくてもよい。たった10回の試合でもずいぶん子どもにとっては大きな経験となる。そして,10回が終わったら,はい,さようならということで,また,別のプログラムに参加したければ参加すればよい。日本のようにあるチームに所属したら,年がら年中練習ばかり。大勢いると試合にも出れない子がでてくる。親もかり出されて重たくなるばかり。そして,燃え尽きてしまうのである。自立するまでの間は,いろんな経験をさせてやる方がよいだろう。どうしても日本はある集団に帰属することから始まってしまうので,その中で良い思いをしている子だけがよくて,ちょっと面白くなくてもなかなか抜け出せないのである。また,指導者もいつも同じこどもを教え,ついつい勝負に走ってしまう。そして熱心のあまり,怪我をさせたり,燃え尽きさせてしまったり,親の反発を買うことになる。考える余地が十分にありそうだ。

 試合終了後,すぐにK先生のお宅へご挨拶へ伺った。何とお昼時であることをすっかり忘れていて,すぐに失礼するつもりが,しっかりとおにぎりまで用意していて下さった。本当に最初から最後までお世話になりっぱなしである。赤ん坊が歩き回る姿にK先生ご夫妻もびっくりされていた。確かに来たばかりの時は4ヶ月の赤ん坊だったのだから,その成長ぶりには目をみはるものがある。大人たちも息子と同じぐらい成長しただろうか?

 UCLAとワシントン・ステイトとの試合がちょうどテレビでやっていた。前半が終わったところでK先生のお宅を失礼した。

 UCLAの試合をビデオで後半からみた。本当に最後の0.9秒でCD選手がランニングシュートを決めて逆転勝ち。4秒前に相手のフリースローが2本入った時には誰もがワシントン・ステイトの勝利を確信したに違いない。本当に4秒弱で彼はコートの端から端まで走って相手をかわしてシュートを決めたのである。やろうと思ってやれることではない。やはり,選ばれた選手たちの集まりなのである。