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ルーキーサッカー(4/5/1997土)


 午前10時から公園へ。ルーキーサッカーをやっていた。3対3でゴールには椅子が置かれていて,得点はなし。とにかく,ゴールに向かっていく。ボールが外へ出たら,直ちにニューボールがセンターに出される。コートは芝の上に50cm間隔ぐらいに旗をたて,およそ20m×10mぐらい。コートの脇に小さなプラスティックの椅子が並べられ,そこがベンチ。その向かい側でたくさんの親たちが声援を送る。手に手にカメラやビデオを持っている。ボールも白・赤・黄・青色がミックスされたカラフルなボールである。コーチは黒人のとても親しみのある感じの人で,ハンドマイクで実況中継をする。子どもたちはすねにプロテクターをつけて,ちゃんとサッカーシューズを履いていた。おそらく,4才から6才ぐらいだろう。女の子も3人ぐらい入っていた。順番に名前を呼んでゴールに置かれた3つの椅子に座る。ゲーム開始と同時にセンターにボールが転がされ,両側から子どもたちが一斉にボールに集まる。お互いに激しくぶつかり合ったりすると,コーチがハンドマイクで全員をストップさせ,その2人に握手をさせ抱き合ってお互いの健闘を讃え合う。大人たちは,ずっと歓声をあげている。1ゲームはおよそ3分ぐらいだが,すべてコーチの裁量に任されている。おもしろいのは,ゲームが終わると子どもたちが,思い思いにパフォーマンスをするのである。でんぐりがえしをする子どもあり,側方倒立回転をするこどもあり,じっとしている子がいるとコーチが近づいてバレリーナのようなポーズをとって真似をさせる。大人たちはその様子をみてまた大喜びである。

 延々とそうしたゲームが繰り返され,大人たちがちょっと退屈になってくると,こんどはお母さんたち全員のゲームである。コーチがウォーム・アップといって飛び跳ねて見せるとお母さんたちはジャンプしながら踊り出す。10対10ぐらいでボールに群がるお母さんたちに子どももお父さんも大声援。お母さんたちも子どもの前だから必死である。ゲームが終わるとお母さんたちも子どもたちと同じように思い思いにパフォーマンス。みんな踊りだしていた。

 おやつタイムあり,子どもたちへのプレゼントあり,最後は全員でチーム名と絵が描かれた大きな白い紙に向かってそれを突き破ろうとするが,子どもたちがくるとその紙が上に上がってしまって笑いを誘う。3回目にやっと白い紙を破ってみんなが集まったところでかけ声をかけて終了である。

 いつもは,もう少し狭いところでよく練習をしていたが,今日はその成果を披露する日だったのだろう。公園では,こうしたプログラムが常にいくつも開催されている。野球あり,バスケットあり,サッカーありである。

 

ウェストウッドパークの風景


 息子は,一人でバスケットボールコートへ行って試合の合間にゴールが空くとそこでシューティングをする。もし,一団がやってくるとすぐにコートの外へ逃げ出す。これを繰り返しながら自然に周囲に気を配ることを覚えているようでもある。おもしろいことに,必ずこうした小さな子どもを相手にゲームをやってくれる人がいる。小さな子ばかりを集めて2対2や3対1をやるのである。この日も小さな子ども3人を相手にお兄さんがゲームをやってくれていた。娘たちは遊具と砂場でずっと遊んでいる。赤ん坊は自由自在に歩き回り,今日は小さな子犬を見て追いかけ回していた。

 風はちょっと冷たいが日が照ると暑いぐらいである。こういう日は,本当に公園は人がたくさんである。寒い日はバスケットボールコート以外は閑散としているので,気持ちの良い日にみんな出てくるのだろう。バスケットボールだけは本当に寒い日でも必ず誰かがプレイしている。ロサンゼルスは12〜2月以外はほとんど雨が降らないので公園での活動が盛んである。公園の数はそんなに多くないが,公園の稼働率は本当に高い。ニューヨークやシカゴの公園はあまりの寒さで閑散としていたので,やはり地域によってずいぶん異なるのだろう。ロサンゼルスのバスケットボールのレベルが高いのは,ほとんど一年中バスケットを楽しむことができるからに違いない。

 

日本の部活動


 日本では,「社会体育」の重要性が叫ばれて久しいが,なかなかその活動が定着しない。その原因の一つは,ボールゲームの集団凝集性が高すぎることにあるように思う。ボールゲーム以外のスポーツ,例えば水泳や体操教室などは盛んに行われている。しかし,野球に代表されるようにボールゲームは1年中固定したチームを作ってしまい,その集団にしか所属できないような仕組みになっている。ボールゲームが1ヶ月なり2ヶ月なりの短期のプログラムをたくさん展開し,その都度申し込むようにすればずいぶん雰囲気が変わるに違いない。考えて見れば学校の運動部の活動も,ずっと同じ集団で行うのではなく各大会毎にメンバーを揃えて取り組むようにすると良いのではないだろうか?どうしても集団生活が優先される日本の教育観では,なかなか定着しないだろうが,少しずつそういう方向へシフトせざるを得ないような状況が生まれているように思う。運動部活動にメスを入れなければ学校は変化しない。

 

ドジャースタジアム


 12時過ぎまで公園で遊び,アパートで昼食をとった後,ムービングセールのチラシを「ニジヤマーケット」の掲示板に張り出してから,ドジャースタジアムへチケットを買いに行った。ドジャースタジアムは山一つ分の広さで,スタジアムを中心に周囲には広大な駐車場が広がっている。アクセス道路もいくつかあり,すぐにフリーウェイと直結している。車社会の球場はこうなっているのかと実感した。チケット売場はロット2の駐車場だというのでそれを探すがなかなか見つからない。球場を1周してしまった。ロット1〜4まではもう一つ球場に近いエリアにあった。ちょうどバックネットの上方にあたるところで,チケット売場の後ろに売店があり,そこでおみやげを購入した。スタンド上方から球場を一望することができる。今日の対戦チームが軽い練習をしていた。チケットはライト側の前から3列目で12ドル。とにかく良い席はみんなシーズンチケットの席で,一般に購入できる席は,3階か4階席か外野席か外野席に本当に近い部分だけである。一般に購入できる席の中ではよい方に違いない。昨日PトラベルのMさんと話した時は,バックネット裏の1階席で50ドルであった。なるほど,そういう良い席は全部シーズンチケットなので一般の人は正規には購入できない。50ドルの価値は十分にありそうであった。