表紙に戻る

 

インタビュー実現(4/28/1997月)


 今日は,やっとインタビューが実現する日である。何かあった時に備えて午前中も家で待機。

 午後1時45分にモーガンセンターでMさんと待ち合わせであったが,ちょっと家を出発するのが遅れて1時47分に到着した。Mさんがいないのでもうすでにオフィスに入っているかと思って探すが見あたらない。1時59分になってあわてた様子でいらっしゃったので一安心。ただ,スティーブのスケジュールが全体的に後ろへずれているので,2時からのインタビューは無理だろうとの話しであった。そのおかげでMさんも少し落ち着くことができたし,いくつか最終確認することができたので良かった。午後2時20分ぐらいになってスティーブの身体が空いたので,さっそくインタビューに取りかかった。Mさんに全てインタビューを任せ,僕は撮影に専念した。インタビューは多少計画していた順序とずれたけれども,全体としてよい流れができ,話しがとぎれることなく50分ほど続いた。スティーブも今シーズンから今日までを振り返ることができて非常に良かったとのこと。このテープが欲しいとのことであった。Mさんも緊張していたようだが,うまく僕の意図をスティーブに伝えてくれて,非常に良いインタビューが実現した。スティーブ氏にとっては,リクルートの件ですごく神経をすり減らしていた時期だけに,今シーズンを冷静に振り返ることができて非常によかったようだ。

 そう,リクルートと言えば,今日はUCLAバスケットボールチームにとって,非常に重要な日なのである。例のハリック氏解任事件の引き金ともなった,リクルートしたい高校生のお姉さんに車を安く譲ったというその高校生が,今日の夕方からのクリッパーズの試合の時に記者会見をして自分がUCLAに行くことにしたのかカンサスへ行くことにしたのかを発表するという日なのである。バスケットボールオフィスが何となく明るい雰囲気だったのでUCLAを選んだようだったが,メディア担当のB氏とスティーブ・レビン氏の2人だけは,まだ,正式にサインしたわけではないので慎重な様子であった。Mさんは小さな時からBD選手を知っていて,息子さんも2年間一緒にプレイをしたことがあるとのこと。Mさんの話しではBD選手は非常に良い子で,第7学年の時にその才能に目をつけられて以来,さらに第10学年で身体が大きくなって,考えられないくらいのプレイをする選手らしい。それこそ1試合に60点ぐらい決めてしまうとのこと。僕も何度か彼のプレイを見たことがあるが,彼の場合はたたき上げられたというより,本当に持って生まれた才能なのだろう。これからますますUCLAがどうなるのか目が離せなくなってきた感じである。幸いMさんが,UCLAの来シーズンのビデオテープを日本に送って下さるとのことなので本当に楽しみである。

 インタビューの後,Mさんとコーヒーを飲みながら今日のインタビューの話しや今後の予定などの打ち合わせをした。その中で,TB選手の話しから日本で僕が気功をやっているという話しをしたら,意外にも非常に興味を持って話しを聞いて下さった。ここアメリカでは本当にこの1・2年で東洋のまさにそういう医学や精神的な部分に注目が集まっているとのこと。一昔前はどうしても宗教と結びついていたけれども,最近はそういう領域が宗教とは切り離されて理解されようとしているらしい。ハーバード大学のお医者さんがそういう部分に注目して本を出版したが,現時点ではアメリカの医学界でつまはじきにあっているらしい。しかし,一般の人はアメリカの医学のあり方に疑問を感じていて、そういう領域に対して非常に興味を持っているとのこと。その話しを聞いて,本当に世界中がそうした領域に対して注目しはじめているんだなぁという感じがした。その意味では僕は本当に最先端を行っているのではないかと思う。

 Mンさんを駐車場までお送りした後,すっきりした気分でウッデンセンターへピックアップゲームをやりに行った。久しぶりということもあって最初は調子が出なかったが,2試合目から非常に調子が上がってきてなんとそれから7試合ぐらい連続で勝ち続けた。もちろん他の人たちは2・3試合で止めてしまうのでメンバーはずいぶん入れ替わったが,僕だけが勝ち続けたことになる。夕方から夜の7時30分ぐらいまで足が痛くなるぐらいビックアップゲームを満喫した。その後,自転車で帰る途中,ちょうどモーガンセンターから出てきたMHコーチに出会った。彼の話によるとUCLAはBD選手を獲得したらしい。どうやら,モーガンセンターで記者会見の様子を見た後,帰路に着いた様子。彼はNBAでプレイしたことがあるほどの選手だが,その彼がBD選手を獲得して純粋に喜んでいる姿を見て,そんなに凄い選手なのか?と少し興味が湧いてきた。正直なところ,彼のプレイスタイルは相手を小馬鹿にした感じなので,あまり好きになれないのだが,何しろMH氏までが無邪気に喜ぶぐらいなので,アメリカの感覚がよくわからなくなってしまった。いずれにしても来年もUCLAが面白くなってきたことは事実である。

 家に帰りさっそく今日のビデオテープをダビングしようとすると,何とテープがからまってしまってエラーがでた。その後テープをうまく取り出して再び再生すると,何と画面が乱れて声も出ないではないか! 本当にこれで終わりだと地に落ちた感じがした。妻も僕がインタビューがうまくいって喜んでいた状態から一気にガクンと落ち込んでしまった姿に「何でこんなに起伏の激しい人生なの?」と尋ねる始末。それでも僕は絶対テープに録画・録音は出来ているはずだと思い,次の対策を考えた。すぐに日本のビクターとソニー(テープはソニーのものを使っている)に電話をかけるが,あいにく日本はゴールデンウィークの初日でどちらも休み。そこで,ヘッドが汚れているのではないか?と思い,ヘッドをクリーニングするが,乾かないうちに別のテープを再生してしまい,テープがヘッドにからまって,何と全く再生も録画も出来ない状態になってしまった。半ばあきらめ気分であったが,どう考えてもヘッドが汚れたためとしか考えられなかったので,再びヘッドクリーニングをして,しばらく時間をおいてから再びチャレンジしたが,やっぱりダメ。こうなるとテープとヘッドをうまくなじませる必要があるのではないかと思い,まだ一度も録画していな新しいテープを入れて,再生状態のまま早送りと巻き戻しを繰り返して新しいテープでヘッドをクリーニングしたような形にした。すると何と画像も音声も綺麗に映るではないか?すぐにVHSにダビングをした。ただ,音声が思ったより悪く,静かな部屋だったのでビデオカメラ自体の音がノイズとして入ってしまい人の声がちょっと聞きづらくなってしまった。やっぱり,ちゃんとマイクを接続しないとインタビューの時などはうまくいかない。非常に細かく分かれている音声ミキサーを使用すれば,おそらくこのノイズを取り除くことができるだろうが,今のところそういうミキサーを持っていないのでちょっと聞きづらい感じである。とはいえ,とにかく撮影も音声も一応うまく撮れていたので本当に救われた感じがした。何だか機械が本当に人間のように気分屋になってきた感じがする。機械とも気のレベルでうまく接していかなくてはいけない。