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「基本が大切」の意味(5/16/1997金)


 その後,ウッデンセンターへ行くと一番奥のコートがしきりで区切られていてTBやMたちがピックアップゲームをしていた。ところがいつもよりもたくさんの人が見ている。奥の方に学生コーチのKがいたので「電話を待っていたよ」と伝えると,何と僕の電話番号をどこかへなくしてしまったとのこと。昨日Aから電話があったというのでAはどうやら人集めをしてくれている模様。

 どうしてこんなに見物人がたくさんいるのか?と尋ねるとなんとレイカーズのルーキー,コービー・ブライアン選手が一緒にプレイしているではないか。来シーズンからUCLAでプレイすることになったBD選手もいる。これで人盛りの理由が分かった。せっかくの機会なのでその様子をビデオに納めたが,本当にすごい能力の持ち主たちである。こうして日常的にNBAと大学と高校のトッププレイヤーが集まってピックアップゲームをしているのだから,ロスのレベルが高まるのもうなづける。また,こうしたピックアップゲームがアメリカのバスケットボールの強さを支えていることは紛れもない事実だろう。しかも,こういう場では徹底的に一人ひとりが自分で攻める。そして自分自身にどんどん負荷をかけていく。個人技術がゲームの中でどんどん育まれていく。

 アメリカのコーチは、「基本が大切だ」とよく言うが、こうしたトップクラスの連中をコーチするときに,「基本が大切だ」というのである。そのアメリカのコーチの言葉をそのまま鵜呑みにして、日本のようにはじめから「基本が大切だ」といくら言っても,選手自身が自分で自分のプレイスタイルを開発するような場所や機会がない状態では,まったく意味合いが異なる。やはりピックアップゲームの場が必要ではないだろうか。